蒸しパンのカケラ

最近良く行き始めたスーパーを入って左に突き当たったところにあるパンコーナー。

行く時間が遅いからか、焼きたてのパンはほとんど残っていない。

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1つ100円以上する残ったパンはというと、抱き合わせで1袋にまとめられ5個も入って300円という破格で売られている。

種類を選べるわけではないので、食べたいパンも食べたくないパンも1袋になっている。

買いたいと思ったことはなかった。

 

買わないのは、食べたくないパンが入っているからという理由より、食べる側の気持ちを考えず、ロス無く さばきたいと言う売る側のエゴまでも袋に詰め込まれている気がするという理由が強かった。

 

そんな袋詰めパンを尻目に、隣に山ほど並んでいる日持ちのするタイプの1つ80円ほどの安い大量生産、保存料たっぷりのパンの群れから、明日の朝食を選んでいる。

 

懐かしい感じのする 三角形の蒸しパンを手にとり、明日の朝「懐かしい」と感動するであろう自分を想像して口の筋肉がゆるんだ。

 

その間 方向的に、ずっとエゴの袋詰めが間接視野に入っているが、手に取る人はいても、買う人はいなかった。

 

翌朝、昨日が嫌になるような出来事が起こった。

 

絶対においしいはずの蒸しパンを、手で少しちぎり、食べようとすると、あと少しで口の中に入る寸前でパラパラと崩れ落ちた。

本当にパラパラと音が聞こえるくらい、キレイに落ちていった。

 

口に入ったのは摘まんでいる指に残ったカケラ。

味がなかったのか、味わう余裕がなかったのか、一口目の蒸しパンは味がしなかった。

 

結局、最後まで落とさずに食べる事に集中しすぎたせいか、味わうことは出来なかったが、おいしかった気がする。

 

今日の思い出も美化され、10年くらい経って同じ事をするんだろうなと思うと、余計に蒸しパンが好きになった気がした。

 

でも、明日はエゴの袋詰めを買うことに決めた瞬間でもあった。